目標管理はもどかしい:ベストエフォート目標に出会う
会議室のエアコンの温度設定が、29度になっていた。暑い。眠くなる。今は真冬だよ。
こういう温度設定型のエアコンは、しばしば、30度(冬)、18度(夏)のように極端に温度設定されている。
どうも、極端に温度を設定することで、エアコンの動作が加速すると思っているようだ。
極端に設定しようが、本来ありたい温度に設定しようが、差分に応じてパワーが出るわけではない。フルパワー以上にはエアコンは動かない。
理屈ではそのはずなんだが、エンジニアが沢山居るはずの場所でも、しばしばそうなっている。あまりにもしょっちゅうそうなっている。何故なんだ?
エアコンの場合、当然すぐに部屋は暖まらない。フィードバックが遅い。
気持ちとしては、フルパワーで暖めたかったんだろう。
その気持ちが極端な目標設定になるようだ。
暖まったら設定を下げればいいとも思っているようだが、次の会議まで、ほっておくなよ。
いわゆる目標管理システムでも、油断すると同じことが良く起こる。
本音のところの目標は、パワー制御、フルパワーなのに、そこは制御出来ないから、極端な目標設定にする。
これ、ベストエフォート型目標管理システムの原因のひとつ。
速く暖まりたい人は、目標設定者。
さて、こんな目標設定者に出会ったら、どうしよう。
ベストなエフォートをすることだ。
残業200時間を続けることは、最大努力ではあるが最善の努力ではない。こちらが壊れてしまう。
エアコンから学ぶことは、フィードバックだ。
間接的にしか制御出来ず、しかも、状況が見えないから、目標設定を極端にする。
ならば、状況を見せること、そして、フィードバックをかけること。
運転開始したぞ、フルパワーで動いているぞ、この先どうなるぞ、を素早く見せる。
まぁ、それでも、極端な目標は下がらないんだろうが、ベストなエフォートさえ実施していれば、こちらの責任は終了。
くれぐれも、目標につぶされないようにしよう。
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コメント
ベストエフォート目標とエアコン設定温度の例え、とても興味深く拝見させて頂きました。参考になります。
当方も同業種故、ここ数年程マヌケな上司+発注元の設定する極端な締め切りには常々悩まされてきました。
マネジメントの古典によると、「従業員(人夫?)は放っとけばサボる」ものだそうですが、要は「エアコン..部下が信用できない→活を入れたい」本音の表れなのでしょう。
私自身、「信頼に足らないモノ」を諸悪の根源と見なす傾向があるのですが、エアコンにしろ部下にしろ作業依頼側が自他共に信頼できていれば、正しい理想目標や現実(妥協?)目標を皆に提示して調整・協力していける筈です。
…… 嘘 の目標設定は、ある種の不信の表明なのでしょう……
問題が起こる時には、決まって不信感というか嘘臭さ(リスク?)がどこかしらに見つかります。人・要求・設計・ソース・データ...
エアコン設定温度の例、今後有り難く使わせて頂きます。
管理人さんも御自愛の程を。
投稿: kim-tak | 2005.03.21 14:14
kim-tak さん、コメントありがとうございます。
実は、上司部下顧客間に信頼関係があれば、目標が無茶でも気にならないんですよね。
最後には、落ちるところにしか落ちないわけで、その責任を全員が分に応じてとる覚悟があればいい。
そして、最善の努力を皆で実施すれば、落ち先も最善のところに落ちる。
まぁ、部下への不信と言えば不信なのですが、無茶な目標は、部下を試している、ようにも見えます。
「愛しているから、谷底に落とすんだ」とか、言うパターンもあり。星一徹みたいな、実に不器用なやり方だとは思いますが。
いい人なんだけど不器用なのか、ほとんど悪意なのか、単に間抜けなのか、いろいろあり、ですが、いずれにしても、部下としては、試されていると考えればいいでしょう。
本当に出来ないときに、誰がどれだけ困るのかを見極める。
で、本音と建て前を使い分けながら、落としどころへうまくもっていく。
そんなのは上司の仕事だろう、と言えばそうなんですが、そんな上司が存在している組織では、それは上司の仕事ではないのでしょう。
モダンなやり方、PMBOKとかCMMIとか、あるいは、目標管理制度とか、はガイドとしながら、現実が遠いことは、遠いとした上で、嘆くのではなく、[最善]の方策を考え実施する、サウイフモノニ、ワタシハナリタイ。
お互い、賢く、頑張りましょう。
投稿: 円山貫 | 2005.03.21 20:55