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アサーション:無茶言う上司に言うべきことをちゃんと言う

エンジニアには、人付き合いが下手な人が多い。モノやソフトウェアが好きな人がエンジニアになっているわけで、まぁ、それなりに自然なこと。

職人気質の人は、作品に語らせようとするので、言葉による説明という発想そのものが薄い。これはまぁ、自他共に納得できる分、わかりやすい。

やっかいなのは、大学や大学院で論文を書いたようなエンジニア。

自分では自己主張のトレーニングを受けたし出来る、と思っています。しかし、論文は、科学的かつ新しい立論をすれば認められる、という素朴な自己主張。論理的かつ冷静な相手という限定的な環境でしか通用しません。

ロジカルシンキング、クリティカルシンキングと呼ばれるような論理的思考法と表現法は、まずは重要。しかし、それだけでは、人を動かすには足りません。

 
人には、意志、意図、価値観があります。いくらロジカルに正しくとも、[思い]、優先順位や価値観に合わないことは、受け入れられ、行動する、ことは出来ません。

よくある対人コミュニケーションの態度には三通りのパターンがあります。

 ◇ 自分を尊重し、相手を尊重しない攻撃的対応: aggressive
 ◇ 相手を尊重し、自分は尊重しない受動的対応: passive
 ◇ 隠れているが、よくあってやっかいなのが、: passive-aggressive
   内面では攻撃的なのに、態度は受動的。つらいですね。

本来ありたいコミュニケーションは、アサーティブ assertive です。

 ◇ 相手も、自分も尊重した上で、自分の考えは、率直に言う。

アサーションとは、自己主張なのですが、笠に着た、嵩にかかった要求とは少し違います。
- require は、法律など、権力を背景にしている要求。
- assert は、権利自体を主張する、自己主張。

アサーティブネスの考え方では、
人は、
 ◇ 自分の考え、感情を言う権利を持つ。
 ◇ 間違える権利を持つ。
 ◇ 考えを変える権利を持つ。
   <間違っても良いから、率直に言って良いんだよ。>
 ◇ 自分の感情に責任はない。
   <やな奴と思うことに変な罪の意識を持つ必要はない。>
 ◇ 相手の責任を自分が引き受ける責任はない。
   <互いの責任範囲の線引きをはっきりする>
その上で、
 ◇ 自分の言動を under control に置く。

行動パターンは、個性として定着していたりします。まずは、攻撃的、受け身的な対応の他に、アサーティブ対応という選択肢があることを頭に置きます。パターンを状況に応じて使い分けられる、その選択は自分が行う、という意識を持つだけでもかなり言動が変わってきそうです。

現実では、いろんな相手がいろんなパターンで接してきます。状況に応じたアサーティブな対応パターンがいろいろと考えられています。
例えば、
 ◇ 相手が激高したときは、それに攻撃的に反応するのではなく、まず、黙って様子を見る。別の時間、別の場所で、落ち着いて議論する場を持つことを提案する。
 (上司が思いつきでものを言ったら、呆れなさい。という橋本治の対応もアサーティブな対応のひとつだ。)

性格は簡単には変わりませんが、行動は変えられます。

ところで、ソフトウェアエンジニアや、LSI設計者は、アサーションという言葉は知っていると思います。

ソフトでは、モジュール・オブジェクトの入出力や環境条件を、モジュールの側で定義します。

IC設計でも、アサーションベース設計/検証、只今売り込み中です。設計の意図や前提を明示的に記述し、設計検証に使います。

アサーションは、モジュール側の受け入れ条件の自己主張ですが、そのモジュールを自分と考えてみれば、無茶なことは無茶といって受け入れない、それがアサーション、というのはわかりやすいですね。

オブジェクト指向設計では、契約とか、責任/責務とか、オブジェクト間の役割分担と条件を明確に定義していくので、[オブ脳]指向エンジニアは、日常の仕事/生活でも、クリアな契約指向になってきているように感じます。

ただし、対人関係に於いて相手を尊重するということは、ロジカルクリアというだけではない対応が必要になることは忘れてはいけません。

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私は数年前にアサーティブネスの本を一冊読みましたが、女性向けでした。
アサーション/アサーティブネス は、[控え目]であれという社会圧力におされてきた女性が、社会の中で対等の関係を結ぶための行動指針、いわゆる女性解放の流れの中で発展してきたようです。

会社の中の上司部下関係でも、部下は[控え目]を期待されることが多く、部下の自己主張という視点でも有用でしょう。
最近の成果主義ばやりで、バランスのとれた自己主張はますます重要になっています。

実際、下に紹介するアサーティブネスの CDでは、突然の残業を依頼される部下、から始まります。

アサーティブネスの本来目指すところは、[控え目]に限らず、お互いを尊重した対等な関係、なのだろうと思います。攻撃的パターンを持ち味にする人は、も、衝突ばかりでは疲れるでしょう。

前回の記事。「蝕まれる心、企業生き残りの代償」:潰されないために で、コミュニケーションの不足、に触れました。

対人関係というと、プレゼンテーション、ファシリテーション、コーチング、ディベート、交渉術などなど、手法がいろいろありますが、もっと基本的根本的なところで、ではどうしたらいいのか、というヒントのひとつが、このアサーション/アサーティブネス です。

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私がアサーティブネスを知ったのは、上述のとおり、一冊の本ですが、読んだことも忘れつつありました。最近、CDで聞きました。
ブログ [CD、テープを聴いて勉強しよう!! by ムギ] に紹介されている、"How to assert yourself"です。

英語なのですが、発音ははっきりゆっくり、要約のシートも付属しているので、それなりにわかります。"You have the RIGHT to ...." のようなことは、耳から入れると、頭だけでなく、心に入りやすいものです。
通勤電車で聞くので、4時間は長いようで手頃。書籍だったら積ん読になっていたところ。
管理者と部下の関係のサンプルもいろいろありますし、ヒアリングの練習を兼ねて、おすすめです。

amazon.com で、assertiveness で検索すると 294冊 出てきます。アメリカでは非常にポピュラーなようですが、日本ではあまり知られていない概念です。

日本に合わせて距離感を適度に調整した上で、日本語で、サラリーマンに勧められるアサーティブネスの本があればいいですね。

女性向けのタイトルだと「私らしくふるまう方法」って感じですが、男性会社員向けは、「下っ端の自己主張術」ってところか。こりゃ売れん。

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アサーティブネスシリーズ (2)
「彼にも間違っていても自分の意見を述べる権利がある。」:アサーティブな責任者

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受信: 2005.02.26 01:03

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